この記事では、躰道(たいどう)の意味について紹介していきます。
『躰道』の文字が何を意味するのかを知れば、躰道がどのような武道なのかがわかってくるでしょう。
一言で表現すると…
なかなか解かりやすい言葉では形容しがたいところではありますが、
躰道の実技と理論で人格像を完成させ、人のために行うべき道を実践する武道
でしょうか……
抽象的な感じがするのでもう少し分解していきましょう。
「躰」の意味
結論から言うと、「躰」は人間の精神と肉体の両面を表す”からだ”の事を言います。
「躰」は”からだ”とも読みます。
パソコンやスマホで”からだ”と入力して変換してみてください。おそらく、最後の方に「躰」の文字が出てくるはずです。
「躰」は「体」の俗字です。
身近なもので言うと、「崎」と「﨑」や
「高」と「髙」のようなものです。
ただ、「躰」と「体」とでは意味が全く同じかといわれたらそうではありません。
「からだ」というと何が思い浮かぶでしょうか…?
おそらく、ほとんどの人は目に見える身体そのもの、「肉体的なからだ」をイメージするでしょう。僕もそうです。間違いではありません。
これは行動的・外面的・肉体的な意味をもつ「体」の意味ですね。
一方で、「躰」は「身」と「体」の会意文字であり、「体」の意味に加え、「身」の意味をもっています。
※会意文字:二つ以上の漢字を組み合わせた別の新しい意味をもつ文字
「身」は意志的・内面的・精神的な状態を示す意味を持っています。
日常では、”身をいれる”や”赤ちゃんを身ごもる”など目にはみえない意味での”からだ”を表しています。
まとめると….
躰=「身」+「体」
身:意志的・内面的・精神的
体:行動的・外面的・肉体的
「道」の意味
これは武道と武術の違いについて考えていくとわかります。
他の身近な武道を例に考えていきましょう。
武道:剣道、柔道、合気道、空手道
武術:剣術、柔術、合気術、空手術
このように武道を表す「〇〇道」と
武術を表す「〇〇術」という言葉があります。
これらの明確な違いは、
単に技術的な術(技)として武術と見るか、その武術を含め人として行うべき道として見るかにあります。
この人として行うべき「道」とは、相手を人間として尊重することからはじめ、人類の平和や福祉へつづく倫理的な道のことです。
つまり、いくら技術的に優れ強い人だとしてもそこに「道」が無ければ、その人の武術はただの暴力になってしまいます。
よく、格闘技が趣味の人から
「躰道は実際の戦いでは使えない。武道じゃない。」
といった意見があります。
これは武道を武術としか見ていないあるいは武道と武術の違いを知らないのだと想像できます。
「武」道である以上、武術の面も重要ですが、決して「道」の部分を忘れてはなりません。
技の部分だけにフォーカスしてしまうと、その時点で本来の躰道ではなくなってしまうのだと思います。
まとめると….
人の行うべき倫理的な道
奥儀(武術)にいたる創造的な道
まとめ
躰道とは….
躰道は一見すると派手な動きが多く、何かと批判の対象になりがちです。しかし、『躰道』の意味とそれが目指しているものが分かると意外に高次元の武道だと思いませんか…?
中学では弱小校の20人いないサッカー部で万年補欠、更に高校ではずっと帰宅部。
だからこそ、初めて躰道を見たときの衝撃と、知れば知るほど深くなる躰道の奥深さに魅了され、躰道を続けてきました。そして、最終的には躰道の世界大会に出場することが出来ました。
躰道との出会いは僕の人生のターニングポイントです。間違いなく人生を豊かにしてくれています。そんな躰道に何か還元したいと思い、躰道の魅力を発信しています。